近年、発酵食品として大きな注目を集める「塩麹」。塩の代わりとして使われることも多く、「塩麹 塩分はどれくらい?」「高血圧でも使えるの?」など気になる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、塩麹の塩分やデメリット、摂取量の目安などを徹底解説します。さらに、塩麹を使った塩分控えめレシピや高血圧対策へのヒントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
記事ポイント4つ
- 塩麹の塩分濃度や1日摂取量の目安が分かる
- 塩麹のデメリットや過剰摂取のリスクを理解できる
- 塩麹を使った簡単レシピで塩分を抑えつつ旨味を引き出す方法
- 高血圧やダイエット中でも安心な、毎日の塩麹活用術

塩麹 塩分の基本と健康効果
塩麹は塩分が高いですか?
塩麹は「米麹+塩+水」を発酵させて作られる調味料です。材料に“塩”が含まれているため、塩分はもちろん存在しますが、結論から言うと「塩分が高すぎるわけではない」といえます。
塩そのものを大量に使うよりは、麹の酵素作用によって少ない塩分でも旨味を感じやすいのが特徴です。そのため、結果的に塩の使用量を減らすことができ、適切に使えば減塩につながる可能性があります。
塩麹の塩分濃度は?
市販の塩麹や手作り塩麹にもよりますが、塩麹の塩分濃度は一般的に約10%前後といわれます。たとえば「塩分10%の塩麹100g」は、そのうち約10gが塩分に相当します。ただし、発酵の進み具合やレシピによって濃度は変動するため、商品ラベルや手作りの場合は材料の塩の配合量を確認するとよいでしょう。
- 市販品の例:塩分10~13%程度
- 手作りの例:塩の配合量によって5~12%くらいと幅広い
大さじ1杯の塩分量は?
料理に使うときに気になるのが「大さじ1杯分の塩分量」。大さじ1杯(約15g)と仮定すると、塩分10%の塩麹なら約1.5gの塩分が含まれる計算です。塩分1g前後は「小さじ1/6程度の食塩」と同等とされています。
- 例)大さじ1杯 = 15g
- 塩分濃度10%なら、15g × 10% = 1.5gの塩分
厚生労働省が推奨する1日の食塩相当量(成人男性7.5g、成人女性6.5g程度:2020年版食事摂取基準)を考えると、大さじ1杯で約1.5gなら、使い方次第で大きな負担にはなりません。ただし、複数の料理で塩麹を多用すると塩分過多になる可能性もあるため、総量を意識しましょう。
麹の何が体に悪いのですか?
麹自体が直接「体に悪い」というわけではありません。むしろ、麹はビタミンやミネラル、酵素などを含んでおり、腸内環境を整えたり栄養吸収を高めたりする働きが期待できます。ただし、以下のような点に注意が必要です。
- 塩分過多
- 塩麹を含む麹調味料は塩を使っているものが多い。
- 過剰に摂取すると、塩分による高血圧リスクが高まる可能性。
- アレルギー
- 稀に麹菌に対するアレルギーがある人もいる。
- 胃腸が弱い人
- 発酵食品全般に言えることだが、大量摂取で胃腸に負担がかかる場合も。
基本的には発酵食品のプラス効果のほうが大きいとされていますが、「塩分」を含む以上は適量にとどめることが大切です。
塩麹のデメリットは?
塩麹は旨味アップや肉のやわらかさ向上など、メリットが多い調味料ですが、デメリットとして考えられる点もあります。
- 過剰摂取による塩分過多
- 前述のとおり、塩麹は塩分ゼロではありません
- たくさん使えばその分だけ塩分を摂ることになる
- 保存期間が短い場合も
- 市販品は長めに保つ工夫がされていますが、手作り塩麹は雑菌混入の可能性があり、冷蔵でも2〜3週間が目安
- 味が合わない料理も
- 麹由来の甘みや独特の香りが苦手な人もいる
- 和食や洋食には合うが、一部エスニック料理などには合わない場合も
塩麹を摂り過ぎるとどうなる?
塩麹に限りませんが、摂取量が多くなるほど塩分過多に陥りやすく、高血圧やむくみなどのリスクが増します。また、発酵食品であるため胃腸に良いといわれる反面、一度に大量に摂取すると逆に腸内バランスが乱れる可能性も指摘されています。いずれも極端な過剰摂取を避け、1日大さじ1〜2杯を目安に使うと良いでしょう。

塩麹 塩分を控えたレシピとQ&A
塩麹の1日摂取量は?
先述のように、1日の食塩相当量の目安(男性7.5g、女性6.5g程度)を踏まえると、塩麹としては「大さじ1〜2杯」が適量の目安です。ただし、以下の点も考慮しましょう。
- 他の食材や調味料からの塩分摂取量
- 運動量や体質(汗をかきやすいかどうか)
- 持病の有無(高血圧や腎臓病の方は医師と相談)
「1日摂取量」の基準はあくまで目安であり、トータルの塩分摂取量が過多にならないように調整することが大切です。
塩麹は塩の代わりになりますか?
塩の代わりとして十分活用できます。むしろ麹による酵素の働きやアミノ酸の豊富さで、料理の味わいが深まりやすいのが特長です。ただし、塩そのものとは異なり、甘みや麹由来の風味が加わるため、レシピによっては塩+塩麹を使い分けるほうがよい場合もあります。
- 塩味をストレートに効かせたい料理:通常の塩
- 旨味を含めてまろやかな塩味に仕上げたい料理:塩麹
高血圧の塩の代わりになるものは?
高血圧対策として、塩分を抑えながら旨味や満足感を得る方法はいくつかあります。塩麹はその一例ですが、他にも以下のような食材・調味料が挙げられます。
- 出汁
- 昆布やかつお節、干し椎茸などを使うことで塩分を加えなくても旨味を得やすい
- 香辛料・ハーブ
- 胡椒やパプリカ、バジル、ローズマリーなどを活用することで塩味を補完
- 酢やレモン汁
- 酸味を加えると塩分が少なくてもさっぱりとした味わいを感じられる
塩麹はあくまでも塩分を含むため、使いすぎると高血圧の人には負担となることも。出汁や香辛料との組み合わせで塩麹の使用量を減らすなど、工夫するといいでしょう。
塩麹はなぜ痩せるのでしょうか?
「塩麹を取り入れると痩せた」という声もありますが、その理由は以下のように考えられます。
- 減塩効果
- 塩麹を使うことで通常の塩の使用量を減らせる
- 塩分過多によるむくみが改善される可能性
- 麹の酵素が消化をサポート
- 麹が持つ消化酵素により、栄養を効率良く吸収して代謝が促進される場合がある
- 脂質代謝のサポート
- 味噌や醤油などの発酵食品と共通して、微生物が生み出す成分が腸内環境を整えるとされている
ただし、塩麹そのものに「脂肪燃焼効果」が直接あるわけではありません。痩せるかどうかは総合的な食生活や運動習慣によりますので、塩麹だけに過度な期待をせず、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

塩麹 レシピ~簡単塩分控えめ~
ここでは、塩分控えめかつ旨味たっぷりの塩麹レシピをいくつかご紹介します。どれも手軽に作れるので、日常の献立にぜひ取り入れてみてください。
1. 塩麹チキンソテー
- 材料(2人分)
- 鶏もも肉 1枚(約300g)
- 塩麹 大さじ1~2
- 胡椒 適量
- 作り方
- 鶏もも肉をフォークで数ヵ所刺して味を染み込みやすくする。
- ビニール袋に鶏肉と塩麹を入れ、よくもみ込み30分~1時間置く。
- フライパンに油を少量ひき、皮目から中火でこんがり焼く。ひっくり返して弱火にし、フタをして火を通す。
- 胡椒をふって完成。
ポイント:少ない塩分量でも麹の酵素によって肉が柔らかくなり、旨味がアップします。
2. 野菜の塩麹浅漬け
- 材料(作りやすい量)
- お好みの野菜(きゅうり、大根、人参など) 200g
- 塩麹 大さじ1
- 昆布茶や鰹節 少々(お好みで)
- 作り方
- 野菜は洗って食べやすい大きさにカット。
- ジッパー付き袋に野菜と塩麹、好みで昆布茶や鰹節を加える。
- 空気を抜いて軽くもみ込み、冷蔵庫で1~2時間ほど置く。
ポイント:塩麹は塩分だけでなく麹由来の甘みや旨味をプラスしてくれるので、少量でも満足感のある浅漬けが楽しめます。
3. 塩麹ドレッシング
- 材料(約2~3回分)
- 塩麹 大さじ1
- 酢 大さじ1
- オリーブオイル 大さじ1
- 胡椒 少々
- 作り方
- 全ての材料をよく混ぜるだけ。
- サラダや冷ややっこ、蒸し野菜などにかけていただく。
ポイント:塩麹を使うことで、シンプルなのに深い味わいのドレッシングに仕上がります。
毎日麹を摂取するとどんな効果があるの?
麹から作られる「塩麹」「甘酒」「醤油麹」「味噌」などの発酵食品には、酵素やアミノ酸、ビタミン類が多く含まれています。これらを毎日少量ずつ取り入れると、以下のようなメリットが期待できるとされます。
- 腸内環境の改善
- 発酵食品の乳酸菌や酵母が腸内善玉菌を増やすサポート
- 免疫力向上
- 腸内環境が整うことで、体全体の免疫バランスが良好に保たれやすい
- 美肌効果
- 腸内環境が整うと肌トラブルも減るといわれる
- 栄養吸収率の向上
- 麹の酵素がたんぱく質や炭水化物の分解を促進し、必要な栄養を効率よく取り込める
塩こうじの健康効果は?
最後に、塩こうじ(塩麹)の健康効果をまとめておきます。
- 減塩効果
- 少量でも旨味を高めるため、全体的な塩の使用を減らせる。
- 腸内環境サポート
- 発酵食品ならではの整腸作用が期待できる。
- 食材をやわらかくする
- 酵素によって肉や魚をジューシーに仕上げる。
- 栄養価アップ
- 麹にはビタミンB群などの栄養素が多く含まれる。
ただし、何度も触れたように「塩分」を含む以上、食べ過ぎには注意が必要です。高血圧対策やダイエットなどを考えるなら、総合的な食生活の中でバランスよく取り入れましょう。
塩麹 塩分を徹底解説!控えめレシピと高血圧対策のポイントまとめ
塩麹は塩分が決してゼロではありませんが、麹が持つ豊かな旨味や酵素の働きにより、“少量の塩分でも満足度が高い料理”を作ることができるすぐれた発酵調味料です。塩の代わりとして十分活用できる一方で、過剰摂取は塩分過多を招き、高血圧リスクを高める可能性もあります。
- 塩麹の塩分濃度は約10%前後
- 大さじ1杯あたり約1.5gの塩分(濃度10%の場合)
- 1日大さじ1〜2杯を目安に、他の食事での塩分摂取量と合わせて調整
- 高血圧対策には出汁や香辛料との組み合わせが効果的
- 腸内環境改善や旨味アップなどのメリットも大
うまく使えば、減塩はもちろん、さまざまな料理の美味しさを引き出してくれる万能調味料です。ぜひ日々の食卓に「塩麹」を取り入れて、ヘルシーで美味しい食生活を楽しんでみてください。
農林水産省「発酵食品の推奨と健康効果」
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日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
👉高血圧と塩分制限について、専門的に学びたい方に役立つ資料があります。